手巻き変圧器の作成

今回は手巻きで変圧器を作ってみたのでそれを紹介する。

 

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手巻きのコイル

 

今回使用したのはFT37-61相当のフェライトトロイダルコアと外径0.29mmのポリウレタン銅線。

これをN1:N2が1:2の巻き数比になるように巻いた。

おそらく大体で30巻 : 60巻になっていると思う。

一応インダクタンス値も計算してみよう。

アミドン社が公表している1000回巻きした場合のインダクタンス値は以下のようになっている55.3mH(1000)

コイルのインダクタンスは巻き数の2乗に比例するので、求めたいインダクタンス値は巻き数をNとして以下のような等式から求まる。

L/AL=(N^2)/1000^2

から

L1=AL(N^2)/1000^2

   =55.3×10^-3×30/1000^2

   =1.659uH

   ≒1.66uH

L2=L1×2

   =1.66×2

   =3.32uH

 

だいたい計算値と実測値はズレるので実測したいところだが今のところその手段がない。

共振回路を組んで共振周波数からインダクタンスの値を逆算すると言う手法が良さそうだがそれはまた別の課題として取り組もうと思う。

 

とりあえずそんなこんなで1:2のコイルが完成した。

コイルの特性として巻き数比に比例した電圧値が取り出せる。

代わりに電流値が逆数比で取り出せる。

これはある一定の比率で電流と電圧が変化しているのでコイルの一次側と二次側を比較した場合電力の総和は等しいことになる。

これが変圧器の持つ特性である。

また、磁気結合されていて電気的な結合ではないので一次側と二次側は互いに完全分離されると言う点も変圧器の特徴としてよく言われる。

 

座学はこのくらいにして動作を見てみたい。

前回作成したハートレー発振回路をもとにコイルに正弦波を入れて確認しようと試みたが、発振回路が持つ電流駆動能力は大変少ないので今回のような軽負荷であっても電流を引きすぎてしまい発振が止まってしまう。

従って高周波増幅用のnjm4580ddで波形をフォロワーしてやる事にした。

写真を撮り忘れたが10kHz程度(多分)の周波数を入力した場合、周波数が低すぎてコイルが磁気飽和を起こしうまく波形変換されなかったのでもう少し周波数を上げてみた。

発振回路のコイルを変えて大体380kHz程度である。

アンプが追従しきらず三角波になってしまったがとりあえずこれで試してみた。

 

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入出力波形

 

ch1 : 発振波形

ch2 : 発振出力カップリング後制限抵抗(アンプの入力)

ch3 : アンプの出力波形(コイルの一次側)

ch4 : コイルの二次側

 

意図通りコイルの一次側と二次側で1:2の関係性、すなわち2倍の電圧が取り出せている事が確認できた。

 

とりあえず今日はここまで。

次回は巻き数をエスカレーションさせて高電圧を取り出す事にしてみます。

また、他の方法でも高電圧を取り出す方法についても挑戦してみます。

 

 

□その他参考

http://neofine9.sakura.ne.jp/work/toroidal/toroidal.html

 

以上、長文駄文失礼。