電源回路の製作

電気を学び始めたあたりからずっとやってみたかったことの一つに「商用電源からフルブリッジダイオードを通して電源として取り出す」と言うものがあった。

言うまでもなく我々の生活は50/60Hz AC100Vのコンセントから電力を得て様々な生活必需品を動かしている。

それ以外で電力を享受する方法としては乾電池くらいで、モバイルバッテリーが出てきた昨今までは大まかにこの二つの方法しか身近な電源はなかったと思う。

とは言え電池なんてすぐ電気がなくなるし、無くなった後の処理も大変で出来れば使いたくない物の一つであったので、ゲームボーイやラジコンなどの乾電池しか許されないような環境下では「アダプターさえあれば」と何度となく考えたものである。(ゲームボーイはアダプターが付けれるものが売られていた)

 

昔話はさておき、商用電源から電力を取り出す方法は色々あって最近ではスマホの充電器などが身近な例として挙げられるだろう。

このスマホの充電器、実際には高い電力変換効率を得るためにとてもよく考えられた仕組みで動いているのだが説明し出すととても細かな話に突入してしまうのでかなり大変である。

従ってここでは割愛する。

決して理屈がわからないわけではない。

それで、今回はどのように電源を取り出したかと言うと実に教科書的にやってみたい気持ちがあって以下のような回路構成とした。

 

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※回路図も載せる

上記回路図では商用電源をいきなりフルブリッジに突っ込んでいる。

そしてその後平滑用コンデンサなどと称する大容量高耐圧のコンデンサをいくつも並列に配置して波形の脈動を抑えるのだー…

などとつらつら説明されたなぁとか思い返したりする。(今回は昔話が多い)

本当にそんなうまく行くもんなの?と、初めて聞いた時は思ったし、何事も聞くとやってみたくなる好奇心が駆り立てられた。

実際に動かすと以下のような波形になる。

 

※波形を載せる

この波形から分かるのは「理論通りちゃんと動いてますねー」という事くらいか。

何ともあっさりとした結論だ。

まあそうだよな。

回路構成は単純、やっていることも難しくない。

そんなに解説することもない。

コレでは面白くないので最近得た知識でツェナーダイオードを使った直流電源の取り出しに挑戦してみた。

見て分かる通り出力段に抵抗とツェナーが直列に接続されただけだ。

この回路で取り出せる電圧はツェナーダイオードの降伏電圧のそれである。

ここで、取り出せる電力量はツェナーの電力を超えることはできない。

解説は書いてたんだけどめんどいからやめた。

分かるっしょ。

それで、ツェナーで作る電源のリプルがどんなもんか見てみる事にした。

 

※波形を載せる。

聞きしに勝るガシガシ波形である。

確かにコレでは音響機器の電源にできない。

おそらくこのやり方は本当に簡易的に電源を取り出すためには良いのかもしれないが、リニア特性を使いたい場合やセンシング、リファレンスを作りたい時などには全く向かない事がわかる。

 

とりあえず以上が今までの進捗となる。

今回の回路構成でツェナーの降伏電圧を欲しい値のものに変えれば任意に電圧を取り出す事ができる。

おそらくこの構成が1番簡易的で部品点数が少なく安価な方法だろう。

しかしツェナーには常に制限抵抗で設定された電流が流れ続けており全ては抵抗とダイオードで熱に変わり捨てられている事になるので効率は最悪である。

次回はコレをスイッチングして変圧器により降圧し、三端子レギュレータなどを用いて欲しい電圧を取り出せるような回路を作ろうと思う。

一気に複雑化して難易度が上がるが今回に比べて効率は上がる。

また、そう言ったものは大体単一PKGになっているが次回は勉強も兼ねて色々とやりたいから作ることにする。

まあ実はこのやり方がスマホの充電器のやり方なのだが、詳しくは次回という事で。

失敗だらけの次回に乞うご期待!

ではさらば。