ene-1車両の設計製作10

今週末(20230716)の確認事項。
・削り出しスプロケの確認。
・ハンドルの跳ね上げ機構による乗降性
・キャスター角3度の操作性。
・アライメント調整
・サイドミラーの視認性。
・車高調整。
・静電スイッチの安定性
・新規ブレーキユニットの確認(車検を想定した確認)
・その他走行時の不具合チェック

前回の走行試験からの改善点と統一規則に適合させるための修正を実施した。
修正項目に従って上記確認事項について確認することにする。
順に記載していくことにする。

■削り出しスプロケットの確認
これは今までamazonnで安い自転車用スプロケを3DPで軸取付用ハブで対応していたものを一枚の削り出し品に切り替えたため、その嵌合チェックと実装状態での不具合チェックを兼ねる。
嵌合、走行時のいずれも問題なく動作していた。

■ハンドルの跳ね上げ機構
現在の車両でいくつか問題になっているもののうち乗降性の悪さが挙げられる。
ハンドルステーが膝にあたってうまく足を奥まで滑り込ませることが困難な状態なので、ハンドルを跳ね上げることができる機構を取り入れることで乗降性の向上を図ったものである。
言わずもがなハンドルにはリンクロッドが付いていて力を前タイヤに伝えている。
そのためハンドル操作が跳ね上げ機構によって誤操作につながるような仕組みとなってはいけないため色々考えて現在の形に行きついた。
機構を取り入れることは可能となったがそのおかげで乗り降りしやすくなったかというとそこまで変わりなかったので残念。

■キャスター角3度の操作性
去年の大会でホームストレートを走行している車両でただの直線でもあるにもかかわらず事故を起こす車両が複数いた。(1台ではない)
なぜか考えたところ、ホームストレートでは時速70km/hをゆうに超えるスピードが上位チームでは常であるらしい。
エコデンレースでは行っても30km/h行くか行かないかくらいだったと記憶しているのでゆうに倍を超えるスピードが出ていることになる。
エコデンレース終了の向きもあってその車両の状態のままene-1に出場したとなればキャスター角のついていない車両は少しの操作ミスでハンドルを取られてしまい壁に激突という結末が待ち受けているということである。
以上はあくまでも私の妄想に過ぎないのだが当たらずとも遠からずといったところではないだろうか。
つまりアライメント関連の不具合以外にストレートでのクラッシュはあまり考えずらい。
そして、現在の私の車両での不安点といえばキャスター角である。
ツイッターでやり取りをさせていただいているASD氏の車両では7度程度の角度をつけているそうで、他チームの記録を出してる車両を参考にしているとのこと。
であれば私もそうしようということで、様子見で3度付けたフレーム取付具を製作した。
これによってハンドル操作に与える影響を明確化することが目的となる。
本来キャスター角を付けたならキャンバー角もそれに応じて調整が必要と考えられるがそのあたりの計算を如何せん私が知らないばかりにまずはキャンバー各0度で確認することとなる。
少し不安。

■アライメント調整
上記でアライメントも踏まえて記載してしまったので割愛。
基本的に走行抵抗となる角度をつけているため調整必須。

■サイドミラーの視認性
車輌統一規則にサイドミラーの取付が義務付けられている。
ミラー面積まで規定されているため少々大きめのものをチョイスして取り付けた。
取付位置が視認性に与える影響を確認したい。
もし悪い場合は別場所に取り付けることを検討しなければならない。
また、取付ステーがかなり貧弱に作ってしまったため走行時の振動で視認できるかどうかも確認事項である。

■車高調整
前回の走行試験では路面のギャップを拾ってバウンドした際にフロントフレームが地面に擦ってしまったため車高を上げる必要性を感じている。
鈴鹿サーキットでは現在の木曾三川公園と同様の路面状態であることが想定されるのでアスファルトの割れ目で生じるバウンドに耐える車高をセッティングとして出す必要があると考える。

■静電スイッチの安定性
車輌統一規則で定められているハンドルスイッチである。
他チームでは色々なアイディアで乗り切っているが、基本的にドライバーがハンドルから手を離した際に電力がモーターに伝わらなければOKなのでスイッチでなくても可変抵抗器をバネで戻るような機構を搭載しても構わない。
本車輌では一風変わった取り組みとして静電容量式スイッチを取り入れることにした。
このスイッチは人が手で触れている間はオンとして認識してくれる。
そして何よりそのスイッチ基板はとても薄く小型なためハンドルに仕込むにはちょうど良いサイズ感である。
ハンドルを触っているドライバーにとって負担に感じない接触確認方式でハンドルスイッチを構成できるので非常に期待感が高い。
ただ一点気になるのは、車両の走行状態では路面状態やボリューム操作、などによって制御回路が振動や電流変動にさらされるため安定した動作が可能かどうかわからない点である。
この辺りのデバックは実装状態でなければできないため要確認事項である。
車両規則に定められているためもしうまくいかなかった場合はかなりの手戻りを必要とするため何とかうまくいってほしい点である。

■静電スイッチの安定性
上記で論じている通り、安定性に関する懸念事項(振動、電流変動)があるためその確認。

■新規ブレーキユニットの確認(車検を想定した確認)
車検時の確認項目として傾斜をつけた状態での乗り降りができることが記載されている。
そのため、ブレーキユニットの調整に加えて8%程度(角度にして11度程度)の傾斜状態でハンドルを握らずに別の方法でブレーキをかけつつ乗り降りしなければならない。
色々考えたが新しい機構を考えて取り付ける時間はないと判断し、ビリビリテープでブレーキを引っ張った状態でハンドルに固定し乗り降りするという結論に至った。
実際にそれでうまくいくかを確認する。

■その他走行時の不具合チェック
上記に上げた以外にも気になる点が走行時に出てきたら書き起こしておき本番までに改善する。

 

本来この記事は走行試験後すぐに更新する予定であったが時間的余裕がなく遅れに遅れて本番終了後の今になって記事化した。
とは言え完成までの観点として何を考えどのように乗り越えようとしていたのかを書き残しておくことは重要だと判断し記事に起こしました。
考えていることがあっている部分もあり、間違っている部分もあったが練習走行会にも参加できずここまで推論できているのはよく頑張った方なのではないかと自分をほめたたえたい。

以上、ここまで。